帰国して5年・後半 

帰国して5年のパート2です。あくまで私の場合で主にアメリカに暮らす友人に向けた私見レポートなので参考までに。

 

アメリカの方が一部の商品を除き物価は高い。日本の方がお金をかけないで生活をしようと思えば可能かと思う。都会部なら外国人が驚くほど時刻表通りに運航されている安い鉄道・バスがあるので、車が無くても大概困らずに暮らせる。また食事も贅沢をしないで工夫すれば美味しく安くあげられる。方々にある100円ショップ(実際は全てが100円ではないが)で日常品が買えるし、衣類もバーゲンなど上手く使えば最低限の物は驚くほど安く揃えることが出来る。

 

しかし、日本でアメリカでの時と同程度の生活をしようと思ったら、思いの外お金がかる。旬の物があるし、どこで何を食べてもハズレが無く美味しいのでつい、余計なものを買ってしまう。アウトレットのブランド物にはアメリカほどのお買い得感は無いし、有名デパートに行ったら、見てくれ機能が同じようなものが高級品になると3倍~10倍の値段で売られている。日本の野菜・果物は元々アメリカの倍くらいしていて、さらに高級なものになればシャインマスカットの葡萄一粒1ドル、高級メロン一個80ドル、バナナ一本8ドルなり。上質のものは上限なく高いものがある。

 

四季のある日本では衣類、靴類は断捨離をしないとどんどん増えて行く。世界で一番気候のいいエルエーでは、年間を通じて同じ服装でOK で、冬になればその上に一枚長袖を重ね着すればいいと言う感じだった。しかし日本ではその季節用に買った衣類は極端に言って数か月しか着られない。3か月たつと、次の季節用の衣類が必要になる。同じ気温でも湿度が違うと着る物も違う。春と秋は同じくらいの気温かと思うが、日本には「流行」があり、季節の色などにもこだわりがある。

 

私は帰国に当たり衣類の3分の2を捨ててきた、この5年間でもう量的には3倍増えて元の量になっている。確かに日本の四季の自然は美しいが4通りの衣食住が存在する。昔、日本に住んでいた時はこれが当たり前に思っていたのかと思うが、カリフォルニアの気候に甘やかされた私には日本の気候は湿気が高くて雨が多く、新潟の曇り空の多さにはうんざりする事もある。取り分け高齢者には毎日変わる気候の変化に身体が付いていけず、衣類での細かい調整が必然である。

 

アメリカの年金は日本のそれよりかなり良いと思う。しかし、物価の上昇分に見合う収入の増加はしていないので、アメリカの生活も段々と影響が出ていることだろう。日本でも日本の年金だけで暮らすのはかつかつで厳しいと思う。だから退職後、給料が下がっても働きたい人が多く、恵まれたサラリーマンであれば系列の会社で退職後も何年か働く場所が用意されるが、正社員でない身分の多くの人は体の動く限りは働き続けないと生活が出来ない事になる。それでも働けない人には、生活保護という最後の砦があるが、これも不正受給など問題が多い。

 

昔と比べ、何をやっても批判する人が居る社会になっていると感じる。除夜の鐘や盆踊りがうるさいと文句を言う人、コロナワクチンの接種を妨害する人、心無い言葉で他人を傷つける人、詐欺事件が横行し、自分勝手で他人への迷惑を考えない人。そういう人は一部であるが、SMSや時にはメディアでもそのマイナーな意見を取り上げ、持ち上げる勢力がいる。テレビの情報番組はあらゆる意見のオンパレードで昔のような良識を伝える場ではない。

 

日本にはマイカードというアメリカのソウシャル・セキュリティーナンバーに当たる国民ナンバー制度がある。しかし、「個人情報の侵害だ」と反対する勢力があり、いまだに45%くらいの普及率から増えず、政府はいろんな特典を付けて習得を推進している。

 

マイナンバーカードを申請すれば5000円、公金受け取り口座と関連つければ7500円、健康保険と関連つければ7500円などである。それでも申請率45%の低さの一番の問題は国民はマイナンバーが無くても暮らせるからで、個人情報の国家管理だと言う声にも押されている。将来的に100%を目指しているそうであるが、そうであればこれは信じられない時間と税金の無駄遣いである。

 

アメリカでは銀行に口座を開きに行けばS.S.ナンバーを聞かれるし、仕事をして給料を受け取るためにもS.S.ナンバーを提出しなければならない。正式な書類にはフルナンバーが使われ、本人確認的な書類には下4桁だけが問われることもある。それによる不正、問題は聞いたことが無い。

 

日本で暮らす身分であれば行政の効率化の為、国がマイナンバーの習得を義務付けたらいい。国の存在は個人情報以前の話だと思う。反対する人はよほど後ろめたい不正を働いている人なのではと勘繰りたくなる。マイナンバーカードが行き渡れば公的機関でのコストカットになり、不正も防ぐことが出来るそのメリットは大きい。

 

今、日本国の財政は国債発行による大赤字の借金体質から抜け出せず、赤ちゃんから老人まで国民一人あたり1000万円の借金を背負っている。給料は上がらず、一人当たりの国民所得は韓国より低くなり、ゆとり教育の弊害と少子化で甘やかした結果、全体的な教育水準は落ち、かっての教育国の栄光はない。国家公務員に優秀な人材が集まらず、経済力は落ち続け、これから先も明るい生活の展望は見えてこない。

 

視察という名目で税金を使って海外旅行をしている政治家たちはいったい何を視察して、何を学んできているのだろうか?報告書を提出するだけでは何の役にも立たない、日本より優れているシステムを学び、改革して欲しい。アメリカで日本からの政治家の視察の様子を何度か見聞きしたが、そのほとんどの実態は税金を使った単なる観光旅行である。

 

税金を払っている平均的な日本国民は普段はつつましく暮らして貯蓄して、たまに外食をしたり、温泉に行ったり、旅行に行ったりすると言うのが現実かと思う。それでも都市部に住んでドル高の影響で実質増えたアメリカの年金とで幾分余裕のある生活が出来ている私は、コロナによる先行き不安以外は快適に暮らせていると言える。今思えば私のアメリカでの生活は仕事以外で自宅を出ればずっと外国旅行の様な生活だった。

 

日本帰国後、これまで中国、スペイン、イタリア、アメリカと海外旅行が出来た。これからもっと海外へ、と言う時にコロナが始まり、この歳で海外でコロナに罹りたくないので解放されていても今は自粛している。海外旅行は体力的に75歳までと思っているので、早くコロナが終息して、また海外に行きたい。

 

子供のいない私は、更にこれから齢を重ねて老いて行くことを思えば、歩いて15分というアメリカでは考えられない近距離圏内で買い物、飲食街、銀行、市役所・政府機関、大学病院などにアクセスでき、生活に必要な事が歩いて出来るこの街での生活はコンパクトで、老後はアメリカより暮らし易かろうと思っている。結果的にアメリカより歩く距離は長くなり、健康的な運動にもなる。

 

そして車が無いと続けられない趣味のスキーがあと何年出来るか。車が使えなく成ったら自転車、自転車が使えなくなったら歩いて日常生活は出来ると思うが、いよいよ歩けなく成ったら施設に入ることだろう。

それまで、より長く健康で過ごせたらと思い、ほぼ毎日いろんな有酸素運動を続けて体力維持に努めている。

いろんな世界を見てきた私の一番の願いは、平和で思いやりのある世界がこれからも末永く続く事である。

 

今週の愛猫ミーちゃん

スキー三昧 イン カリフォルニアスキー三昧 (skizanmai.com)

skizanmaiの日記 (hatenablog.com)

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