深雪を滑る + エピソード16

オリンピックが始まり、毎日かなりの時間をテレビを観て過ごしている。疑惑の判定や不可抗力に近い失格や無得点。不可解なスピードスケートのフライイング、ワリエワのドーピング疑惑などネガティブな話題のオンパレードのオリンピックとなっている。もっと単純にスポーツ観戦を楽しめるオリンピックであって欲しいと思いながら観戦、応援している。そんな中、スノボーのハーフパイプで納得のいかない点数をつけられた新潟出身の平野歩夢の最終ランでの会心の逆転劇や、カーリングの藤澤五月の大逆転のミラクルショットなど、オリンピックには結果の裏に感動的なドラマが多々ある。

 

全国的に大雪がニュースになっているが、今冬の新潟市内は、頻繁に雪が降るが、湿った雪ですぐに溶ける。特に海岸に近い私の住む辺りは今年は10cm以上積もったことがない。その10cmの雪もすぐに消えてしまった。同じ市内でも海岸近くと、海岸から3キロほど内陸になる駅周辺とでは積雪はかなり違う。

 

そして、越後平野の外れ山間部にはもっと雪が降る。胎内スキー場に雪が降ったという知らせを聞き2月8日、新雪を滑りに行く。8日はもともと赤倉に滑りに行く予定だったが、まん延防止措置の適用により、新潟市に住む私は参加をキャンセルしていた。ローカルのスキー場は天候が悪い平日でも新雪を求めるコアな地元のスキーヤーが結構きている。

 

今日の雪質は湿った雪なので踏み固められるとすぐに硬くなるが、積もった状態で踏まれていなければ10cmほど積もった雪は滑り易い。正面のロマンスリフトの横にあまり誰も滑らない森の中に切られた狭いコースがある。一度グルームされた上に昨夜降った新雪が積もっている。滑るには丁度いい深さの雪で荒らされていない斜面に自分のシェプールを描ける機会はなかなかない。白い紙を目の前にした書道家の様に、この上にどう跡をつけるか、上から斜面を見下ろして、左側を滑り始める。

f:id:skizanmai:20220208102055j:plainターンに入る前にフワッとスキーの裏で新雪を感じ、外足で雪に乗ってターンに入る。吹き溜まりになった部分は結構深い。リズムを掴んで左右に気持ち良くターンを切る。

f:id:skizanmai:20220208102359j:plainこの一本だけの為にスキーに通ってもいい。至福の時であり格別の一本だった。

 

同じ斜面に戻り、上から見るとまだ右側に深雪が残る。

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新雪の2本目は一回目よりいくぶん細かいショートターン。滑り終えて下から斜面を振り返り、写真を残す。

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スキー場奥にある風倉高原のコースを滑ると雪質は他より良いが雪が降りガスってきた。新雪を数本滑れただけでも来た甲斐があった。来週も雪の予報だが13日に3回目のコロナワクチン接種を受けなければならないので週の前半は大人しくしていなければならないらしい。雪の降る間にまだ数回来たいと思いながら、山を後にする。

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追伸:3回目のコロナワクチンを13日に受けた、一回目、2回目はファイザーだったが、今回はモデルナ。私的には前回のファイザーの時と副反応は同じくらいの腕のだるさと腕を動かした時の筋肉痛のような痛さ。2日目には大分違和感も取れてきた。私にはモデルナでも心配はなかったようだ。自分の為、周囲の人の為、ファイザーを待たないで受けれる時に受けるべきだと思う。

 

エピソード16

アメリカで最もお世話になった一人である私が36年間働いた元California Cartage Companyのオーナーであり社長であったMr.Curryが90歳で亡くなられたと2月10日の朝アメリカの友人から連絡を受けた。私が働いていた間、81年の入社時から退職まで長きに渡りカリーさんがずっと社長であり、85年からは私の直接のボスとして、私にとり異国の地アメリカで恵まれた仕事の環境を与えていただき、安定した生活を築くことが出来たのはカリーさん無しでは出来なかったことである。

 

カリーさんの父親が1945年に創業したトラック会社をアメリカ西海岸最大の物流会社に育てたカリー社長は、さらに会社を大きくして会社組織を全米に広げていった。全米トラック協会の会長も務め、何かあれば業界の為に最初に行動する長年LA/LB港のレジェンド的なリーダーでありカリスマ性のあるジェントルマンであった。

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            私の退職祝いの会食にて。

2019年のカリーさんの退職に合わせ、会社は東部に本社のあるNFIの配下に合併されたが、もともと株式会社にすると株主に会社をコントロールされる事を嫌い、ずっとカリー一族の持つFamily会社として、自分の儲けより会社、従業員の生活を考えてくれる人であった。カリー一家はアイリッシュ系の移民でおじいさんがアメリカの大手石油会社ペンゾイルの初代会長であり、Cal. Cartage創業者のお父さんのニールさんは早くに亡くなったがケネディー大統領のブレインでもあった。LA近郊に牧場を持ち、ドバイの世界競馬ダービーの優勝馬を持っていた名家である。しかしカリーさんは、何時も周りが驚くほどいたって質素に暮らしておられた。

 

私は仕事に関してほとんど「あれをやれ、これをやれ」と、ボスであるカリーさんに指示をされたことはなく、私からの報告を受け、私の自由に仕事をさせてくれた。会社の看板とカリーさんの後ろ盾が無ければ私の今日は無かったと言えるほど私にとってカリーさんの下で働かせてもらったのは幸福な事であった。

 

日本人との交流も多く、カリーさんを惜しむ人は日本にも大勢いる。

最後までお元気で、大好きなゴルフをプレー中に倒れて病院に搬送され、亡くなったと聞いたのが、Mr. Curryを慕う人達へのせめてもの慰めです。

安らかに永眠ください。アーメン

 

今週のミーちゃん

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写真で見ると大人しく見えるミーちゃん、実は寝ている時以外はADHDでないかと思うくらい動き廻る。

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