イタリア・スキー遠征

 

3月2日より、高田高校の同窓生OBを主なメンバーとするグループでイタリアのコルチナ・ダンペッツォに、スキー遠征に出発する。高高昭和44度卒業生で作るスキー同好会のH君とK君が中心となり、昨年の夏から計画していたイタリア遠征である。遠征の仲間は9名。その構成内訳は4名が高田高校の同級生、1名は途中で転校して行ったT君、一名はその友人繋がりで参加のTさん、そして3組は夫婦での参加である。

 

出発は3月2日の昼12時45分羽田発のルフトハンザ機。予定表では11時間のフライトでミュンヘンに着き、そこから迎えの専用車に乗り換え、更に5時間でコルチナ・ダンペッツォのホテルにチェクインする。16時間を越える長い移動時間になる。遠征期間中の現地の予報気温は摂氏7度から最低がマイナス3度。天候は曇りのちみぞれ雪が多く。これがスキー場の温度なら冬の日本のスキー場とあまり変わらないが、麓の温度なら山頂はかなり寒い事に成る。その辺は行ってみないと分からない。到着の翌日からコルチナ・ダンペッソの周辺を5日間ガイド付きで滑るツアーであり、最後の6日目は自由滑降か、片道2時間ほど離れた水の都ベネチェア(ベニス)への観光を考えている。

 

空港での集合時間に間に合うように私と上越方面からのメンバーは前の日から都内に宿泊。3月2日の朝、首都圏から参加の人達と羽田空港の今回お世話になるフェロ-トラベルさんの集合場所で顔合わせ。我々の仲間は9名であるが、日本からフェロートラベルの今回のツアーへの参加者は総勢45名と聞いていたが実際は42名となった。

 

集合時間は午前10時15分、前日、同じホテルに泊まったK君と、空港宅配で送った荷物の整理の為、早目に到着して、皆を待つ。

 

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チェックインカウンターで仲間が全員そろった。機内で映画、「万引き家族」「日々是好日」と、二本続けて先日亡くなった樹木希林の映画を観る。自然体で見事な、彼女にしかできない味の有る演技でした。

ロシアの上を通り、フィンランドのヘルシンキの上を飛ぶ。47年前20代前半の私はこの広い森と湖の地を這いつくばるように1ッか月間ヒッチハイクしていた。この地を47年後に上空から見る時が来るとは思っても居なかった。

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11時間の長いフライトは、これほど揺れの少ないのは珍しい穏かなフライトであった。予定より15分早く、現地時間、午後4時20分に薄曇りのミュンヘンに着陸する。

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ここから迎えの専用車バスでドイツ、オーストリア、を通ってイタリア北部のスキー場、コンチナ・ダンペッツオまで5時間の移動で、到着は真夜中に近いと言われている。ゲートを出るとフェロートラベルのガイドの方が2名迎えに来ていた。今日、同じフライトで着いたのは22名。既に今朝到着した20名がホテルに入っていると言う。出発前に空港のマーケットで飲み物を買うと、500ccの水が約110円、500ccのドイツビールの大缶が約150円であった。ビールは安い。

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大型バスでイタリアへ向かう。1人で2シートを使えるゆたりとしたバスであった。途中2時間で休憩をした所は既にオーストリア。アウトバーンを走りアルプス越えをしてイタリアに入る。暗い道沿いに明るいナイタースキーをして居るスキー場がみれたが、暗くて山の全景は見えない。

f:id:skizanmai:20190303015201j:plain11時、コルチナの街に着き、最初のホテル、トリエステ・ホテルで7名を降ろして、更に10分かかって我々の泊まるホテル・アンコラに着く。バスの停車位置からホテルのエントランスまで石畳の坂道をスーツケースを押して行かなければならない。

 

ここはこの地方に沢山あるスキー場への入り口になる街。 結構大きくてきれいな街並みで、我々のホテル・アンコラは街の中心街の一番いいロケーションにある4つ星ホテルである。

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遅くに着いたホテルには各自の部屋にコールドディッシュの夕食が用意されていた。ヨーロッパの古いホテルは部屋は狭く、シャワーの栓、テレビ、セキュリティーボックスなど使い勝が悪い。それでも、四つ星ホテルの内に飾られた装飾品などは美術館のよう。

 

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日曜、

部屋の窓からは街を囲む山々が朝日を浴びて輝き始める

7時半からホテルのレストランでブユッフェスタイルの朝食。

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 ホテルは街の中心の教会通りにあり、教会のすぐ前。この街を散策するには便利な場所に有る。

ホテルのスキールームで身支度を整え、外に出てスキー場に向かうバスを待つ。今日は晴天。それだけで気分が高まる。初日なので9時半に出発して10時くらいから滑り出し、2時半には上がるという軽めのメニュー。引率してくれるのはフェロー・スキーのガイドさん達。この42名の為にカナダからの2名、スイスから1名、日本から1名、現地から1名のガイドさん達が来てくれている。初日はコルチナ・ダンペッソッの街から見える比較的楽なコースの多いファローリアへ。

 

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ゴンドラで眼下にコルチナ・ダンペッソの街を観ながら上に上がり、台地状になった大きな山の上部に出てると、そこからがファローリアと呼ばれるスキーエーリア。

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参加者全員で記念撮影

f:id:skizanmai:20190303182447j:plainf:id:skizanmai:20190303190017j:plainロープウエイを降りたところで自己申告に依るグループ分けがされ、42名を5グループにレベル分けして滑り始める。K君、H君の夫婦と共に私たちは上から2番目のグループに入る。このグループは9名でガイドはカナダからの川野さん。

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ヨーロッパ初めての雪面は硬い。聞けば、今年イタリア北部ではここ2週間ほど積雪がない小雪のシーズンだそうだが、初めての私達には麓まで雪はあるので充分である。長らく降雪が無く、雪質は結構硬く締まったゲレンデであるが、それでも晴れているので、風景を見ながら滑るには最高である。

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コースとしてはそんなに長くなく、4本ほど滑ると、もう昼休み。レストランでもう一組のグループと落ち合って昼食。同席したグループの中に新潟市とその周辺から来た4名のスキーヤーがいたので、初対面でも会話が弾む。

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午後から、向かいの山腹に見えるスキー場、トファーナの説明が有った。猪谷千春選手がオリンピックで銀メダルを取ったオリンピックコースがある。明日はそのコースを滑る。このレストランのハウスワイン、1リットルで13ユーローは安い。

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ガイドさん達のウエアは遠くからも一目でわかる明るい薄緑色。我々はこの色を追って滑るので分かり易い。

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午後から更に3本ほど滑って、3時前にホテルに戻る。そこで私のトレッキング・シューズの底が剥がれてきているのに気づいて、街中にシューズを買いに行く。ホテルのフロントで教えてもらったのはすぐ近くのデパート。後でガイドさんに「あそこはコルチナのイトーヨーカドーとよんでます」と、聞いた。大きくはないが何でもそろう便利なデパート。ナイスなトレッキング・シューズが189ユーローなり。高級ブランドでないので、税金を返してもらえば、良い買い物と思う。f:id:skizanmai:20190304005332j:plain

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4時半から街の中の説明をしてくれるショート・ツアーに参加。

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そのまま、シューズのタックスリターンの手続きにお店に戻り、同室のK君のスキーヘルメットを探すウインドゥショッピングに付き合う。6時からはホテル・トリエステに泊まっている参加者も交え、総勢42名とガイドさんがこちらのホテルに集まり、合同での懇親会。

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懇親会の後、バーに移って我々の9名でワインを2本空ける。7時半からフルコースの夕食。

f:id:skizanmai:20190304041021j:plain翌日、月曜日、7時半から朝食で、9時の出発まで早朝の散歩。f:id:skizanmai:20190304151509j:plain今日は昨日行ったファローリアのスキー場から街の反対側の山に見えたトッファーナへ。トッファーナに着いたとき、メンバーの一人がレンタルして居るスキーを間違えて持って来たことに気づき、二人のガイドが役割を分担して問題解決にあたり、一人が一緒にホテルへ戻る。思わぬ出来事にも、ベテランらしい見事な対応。この出来事のため担当ガイドの変更があり、今日も私は昨日と同じカナダ在住20年の川野さん。頻繁にヨーロッパとカナダを行き来するベテランガイドである。

 

毎日少しメンバーの変更はあるが、スキー能力に依り5グループに分けている。川野さんによれば、「今回のグループは1、2が初心者、3が中級者、4,5が上級者ですが、3,4,5はいずれも珍しい程、皆さん滑れる人で、ほとんど変わり有りません」とのこと。確かに途中で見る3班、5班の皆さん上手い滑りをして居て、区別がつかない。午前中は幾分霞が掛かったような天候だが時折青空が顔を出す。

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ここトッファーナでイタリア最初の冬季オリンピックが開かれたのは1956年。足慣らしの後、男子オリンピックコース、女子オリンピックコースと滑る。ここ2週間ほど新雪がなく、雪質は硬く良くはないが、晴天に勝るものは無い。雪質が悪くても、この展望は見れただけでラッキーである。ランチは一番上に有るレストランヘ。山は更に上まで続いているが、山頂に行くゴンドラは冬の今は動いて居ない。レストランのある上方部の雪質は積雪が無くとも下よりも良い。

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今日、一緒に滑って居る新潟からの3名、話していてHさんは私の住居のすぐ近くにお住いなのが分かる。それも話していなかったら分からなかった事。なんとも世界は狭いと思わせる出来事。

 

午後からは、少しづつガスがでてきた。ガイドの川野さんの判断で、ゴンドラで下りる場面もあった。参加者の安全を考えるのがガイドの一番の仕事である。

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食事の時間の前、5時半にロビーに集合して、外のバルに飲みに出る。外には小雨が降りだしている。明日の天気が心配だが、通り沿いの飲み屋さんを何軒かビールの値段をチェックしながら歩く。お店を聞くには現地の人で無ければならない。道行く人は皆、スキー客に見える。と、目に留まったのは工事現場のガードマン。間違いなく現地の人。「何処かに良い飲み屋さんを知らないか?」と手振り身振りで聞くと、なんとなく「真っ直ぐ行って右側の飲み屋さん」を、教えてくれて居る様に見える。行ってみるとバルがあった。値段を聞くと、割とリーズナブルなので、ここに決めた。それぞれがゆっくりと一杯飲んでホテルに帰る途中、K君のヘルメット探しで、ついにご希望の品を見つけた。ブリコのヘルメットは滅茶素敵です。少し入ったイタリアカラーはイタリア遠征の良い記念品だね。

 

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ホテルに帰って今日もフルコースの夕食。

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 火曜日

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3日目の今日も快晴で、このツアーのハイライトであるセラ山隗の一周コースを巡るツアー。事前の調査では27キロ滑って元の場所に帰って来る。何時もより早い8時にホテルを出て、バスで西に一時間のアルテバヂア地方へ向かう。天候は今日も晴れ。朝から青空が眩しい。バスが動きだして、滞在する『ドロミテの真珠』コルチナ・ダンペッツオの街がアルプスに囲まれた谷底に広がる。f:id:skizanmai:20190306004557j:plain

途中、昨年10月の大風で倒れたと言う松科のスプルースの樹が大量に倒れているのは世界的な気候の変化のせいか?

 

今日のガイドは森下さん。ロープウェイを降りると、「今日は長い距離を滑りますから」と言う森下さんの先導で、セラ山塊をアルベの街から時計回りに廻るコースを8名が滑り出す。 

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f:id:skizanmai:20190305175731j:plainリフトを乗り継ぎながらどんどん先を行く。目まぐるしく変わる景色はどれも絶景。雪質は少しアイシーで良くはないが天候に恵まれ景色を見ながら滑れるのは最高。f:id:skizanmai:20190305180518j:plain

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1時間ほど進み、途中でゴンドラが故障で止まっている場所に着く。森下さんが情報を集め、迂回して麓まで降りて、一部を巡回バスでカバーする方法をとることに。麓の街に下りてバスに乗る。

 

乗り込んで同じくらいの年齢の男性と席の譲り合いになり、私なりの決着方法、「貴方は、何歳です?」「60歳」「私は68歳だから私の勝ち」と、シニアファーストで短い距離ながら席に座らせてもらう。またロープウェイに乘り滑り続ける。かなり来たところで今日の昼食を予約しているレストランに着く。他のグループと今日は合同ランチのはずがゴンドラの故障で他のグループは諦めてこちらに向かっていない事がわかる。我々は多数決の末、このまま先に進みセラ山塊の周回完結を目指す。

ゆっくりランチの時間は無く、ランチはキャンセルして、先へと進む。行けども行けども続くスキーコース。それぞれのコースはそんなに長くはないが、ともかく広く広がるスキーエーリア。つぎつぎとゴンドラやリフトを乗っては滑り、乗っては滑りを繰り返えす長い移動。リフトを降りると、反対側に入りるコース、さらに向かいの山にもスキーコースが見える。何処に行っても、それなりに混んでいる。しかし、日本、アメリカと比べ、驚くほどスノーボーダーが少ないと感じる。ボーダーはおそらく5%くらいしかいない。私が聞いた現地の人は「新雪が積もればスノーボーダーは増えるが、この雪ではスキーヤーが多い」のだと言う。

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我々のスーパースキーpassはこの辺一帯の世界で最も大きなスキーエーリアの12のスキー場を滑れて、1200キロのゲレンデ、450のリフト設備を自由に乗れるスーパーpassである。 

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途中で「3時半までに戻るため、先を急ぎますから、ここで簡単なセルフサービスのランチを摂ります」と、45分間の休憩ランチ。「これで、半分くらい来ましたか?」と、聞くと、「もう少しで半分です」と、言う応え。どんだけ広いのか?更に滑って、「ここが半分の中間点位だと思います」おいおい、これでやっと半分かい。その後も滑降が続き、「4分の3くらい来ましたか」と聞いたらまだ3分の2くらいだと言う。

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今回のスキーでK夫妻とC婦人以外はスキーの上級者、このセラ山塊周回に参加できるのは上級者だけだが、回数的には私が、K君、T君、Tさんの後を滑り、しんがりをH夫妻という順番が多いのだが、私のスキーは走るので、ガイドさんと同じ軌道を滑ろうとする人達をすぐに追い越してしまう。必然的に私は皆と違うコースの端をショートターンで滑る事が多い。また、たまにウ回路をショートカットする事もある。

この頃から雪が緩んで、ベトベトの重い雪質になり、急斜面には柔らかい瘤が出来始める。皆苦戦の滑降。実は私はマンモスのスキーでは午後にはこんな状態が多いので、嫌いではないコンデション。

今朝出発したゴンドラ乗り場が見える頃には皆ヘロヘロの状態。

 

最後のゴンドラに乗り込む前に、カメラを操作した時にスキーグローブの片方を落としてしまったようだ。戻る訳に行かないツアー。後から来るスキーヤーに聞いてみたが出て来ないので諦め、T君が予備のグローブを持っていたので借りる。最後のゲレンデを回り込んで見覚えのあるアラッバの尖塔が見えた時にはほっとした。

無事にアラッバの街に戻り、セラ山塊一周のスキーツアーが達成出来て、満足出来たが、他のグループは周回途中でゴンドラの故障個所から周回を中止して、戻っていたので、「明日、もう一度このコースに戻ります」と、ツアー全体の方針が発表された時には、我々のグループはあの合宿の様なセラ山塊周回コースは充分堪能しましたと、明日は本体と別行動で2日目に行ったトファーナへ行く計画変更が決まっていた。

 

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 本日の総合滑降距離は23キロ、計画では27キロであったが、途中でゴンドラの故障の為、バスを使ったので距離に違いがでたが、それでもリフト、ゴンドラでの移動距離を入れると山手線を一周するような長い長いスキーツアーでした。ホテルに戻ったその足でスキーグローブを買いに行く。

 

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 この街に着いた時からずっと仮想祭が催されており、子供達が仮装をして教会通りを埋める。

ここはイタリアの高級リゾート地。ヨーロッパの方々からのお金持が毛皮のコートを着て行き交い、ダウンのベストを着た偉そうな犬が行き交う。

 

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今日の夕飯は街の郊外の山中に有る農家を改造した地元自然食材を使った料理をサーブするレストランへ行く。このディナーは飲み代以外はツアーに含まれている。食事とワインを楽しみ帰路につく。結構、辺鄙な処に有るのに、何時の間にかすべての席が埋まっていた。

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水曜日

セラ山塊一周のツアーを昨日達成した我々は、今日はゆっくりとしたスキーをしたくて、ガイドから離れて、自由行動として2日前に行ったトファーナへ向かう。ここで一日自分たちのペースで滑って身体を癒やす。此処で仲間のK医師夫妻が二人とも体調万全でなくスキーをギブアップ。スキー無しでトファーナのロープウェイの上の駅まで参加。チームドクター的な存在なので、頼りになるが、医者でも体力、体調を壊すことはあるから無理をせずお大事に。

 

朝の天候は晴天。しかし上空の雲の流れは早く、天候の崩れる兆候。山頂は見晴らしの良い状態が昼まで続き、スキー場上部のコースでビデオ撮影をしあったりして、何本か滑る。前回滑れなかった長いリフトの斜面も段々と山頂の雲が下りて来るのと競争で、かろうじて薄いガスが掛かった状態で滑れた。

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耳部分にイタリアンカラーの入ったブリコのヘルメット姿のK君

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空に珍しい彩雲が出た。

ロープウェイの駅に隣接する山頂でビール、ワインを飲みながらゆっくりとランチ。

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夕方買い物をしたり、博物館を観たいので早目に下りたいと言う皆と別れて、私だけワールドカップのコースに戻る。一本滑って、更にオリンピックコースを降りて、河を渡って今朝来たバス乗り場に行くと、タイミングよくバスを待っていた全員に合流できた。

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スーパーで買い物をして、自然博物館と民族博物館に向かう。奇妙な形をした化石が何であるかが話題に。受付の女性に聞いたら、やはりムール貝の先祖だった。こんな大きなムール貝があったら食べてみたい物だ。そして民族博物館にあった歯車が付いた大きな鉄の構造物は、Uさんが翻訳ソフトで調べたところ、重しで動く教会の時計台の時計装置であった。

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ホテルに帰って夕食。4つ星ホテルのフルコース・ディナーはなかなかである。

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木曜日

スキー5日目。スキーをするのは今日が最終日となるが、朝から怪しい空模様で、ホテルから見る風景は山のすそ野までしか見えない。午後から雪になり、峠越えが出来なくなる可能性があるとの事で、最初のアルタバディアへの予定を変更して、専用バスで峠越えの無い3Zinnenに向かうことになった。ホテル・トリエステの新潟の4人組と電話番号の交換をしようと思って居たのに、今日は雨を嫌ってスキーに来ていない。ランチで何時もワインを空けていた彼ら、きっと昼から飲んでいる事でしょう。それもまた旅の楽しみ。私たちも夕食の前に街に出る様にしている。

 

スキー場へ向かうバスの外は雨。気温も5度と暖かい。それでもゴンドラに乗る頃にはみぞれとなった。今日のガイドは森下さん。H君夫婦は違う班に行って、私と同じグループは仲間の4人と仙台からの2名。

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小雪が降り、重い雪が踏まれて硬い雪面、決して良いコンデションではないが、それでも雲が薄く、雪面は見え易いのが救いである。5日目となると皆、疲れていて、スキーを楽しむより、前へ前へのスキーツアーのよう。

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森下さんは必要なアドバイスをしながら注意深くガイドしてくれる。残念ながら山頂へ向かうリフトは強風の為、停まっていた。風の影響の少ない東側へ回り込みながら滑る。

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f:id:skizanmai:20190307190745j:plain軽く雪が降り始める。レストランで昼食を摂り、外に出ると結構いい雪質になってきている。しかし、今日は早めに引き上げるので、もう帰りのルートを摂り始める。下に向かうにつれ、だんだんと雪が緩んでくるが、私はそれなりに楽しんで滑る。

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最後の駐車場に降りるゴンドラの下のコースはかなり長くて急である。コンデションと全員の疲労具合をみて、森下さんはゴンドラで下りる事を決断したが、私だけ滑り下りて良いか、聞くと、注意して下りて下さいとOKが出たので、私はゴンドラのラインに並ばずにゲレンデを駐車場まで滑り下りる。ゴンドラの真下ではなく、少しう回路。それでも長い斜面がつづく。ゴンドラの仲間にあまり遅れたく無かったので、頑張って滑っているうちに「じゃあ、ノンストップいちゃおうか」と、いう気になってくる。

 

最後の一本は滑ったと言う達成感が欲しい。勿論途中で流す場面はあったが、頑張って無事にノンストップで下まで下りた。満足の最後の滑りが出来、当然ゴンドラで下りた仲間が先に着いていると思い、バスに向かうと、まだ川野グループしか着いていなかった。

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やがて、すべてのグループが下りて来て揃う。お疲れさんでした。明日の自由滑降の日にベネチュア観光に行く我々は、今日で今回のスキーのスケジュールは全て終了した。せっかくの出会い、ホテル・トリエステにいる新潟の4人組に会えなかったので私の連絡先をガイドの清水さんに託す。

T君の携帯のアプリ・ソフトに依ると、5日間で、リフト/ロープウェイを51本乗り、推定64.90km 滑走し、標高差13,759m を降りたと記録されていた。

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ホテルに戻ると今日はスキーを休んでいた奥さんがた2名が体調が良くなく、軽い食あたりかも知れないと言う。そんなに重い症状ではないとのKチームドクターの判断だが、T夫妻は明日のベメチュア行きをキャンセル。

 

食事の前に男性陣だけで小雨の中をバルに繰り出す。

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今日見つけたバルはとってもリーズナブルで一杯4ユーローくらいで、ビールとワインにサービスのおつまが付いてきた。

そしてホテルに戻ってディナー。

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金曜

イタリア滞在最終日。スキーは昨日で終わり、今日は2時間離れたベネチュアへ観光に行く。早朝に玄関のロビーでホテル・アンコアの女主人と話す。博物館の様なロビー周辺。この建物で一番古いのは玄関ロビーの木彫りの天井板で1500年代の作成、そして玄関ロビーのこのホテルの象徴的な古いストーブは1700年代の物と言う。

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朝8時半に向かえの車が来る。体調を崩した仲間が居る為、出発の寸前まで9人、8人、7人と参加人数が変化。其の調節をしてくれたガイドの川野さんも大変だったと思う。最終的に7名となり、ベネチェアへ出発。ドライバーのクラウデアさんが我々を8時にピックアップしてベネチェアへ車で連れて行ってくれ、午後4時まで待って居てくれる。途中までは雨だった天候が、山を下って平野部へ入ると青空が見え、ベネチェアの一日は終日素晴らしい天候となった。

 

ベネチェアへ着いて一回200円の公衆トイレを使い、その高さに驚く。だって一回おしっこをして200円取られるなんて!駐車場の近くで、一日中乘り放題で20ユーローの水上バスのチケットを買い、水上バスでリアルト橋へ行く。

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運河と、美しい水の都ベネチェアの街は何処も様になるので写真をとりまくる。一年半前に来たことの有るH君の案内でお勧めのレストランで海鮮イタリアンの昼食。いか墨スパゲティー、カラマリと海老のフライ、海鮮サラダ、などなど、皆美味しい。

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その後、狭い路地を、サン・マルコ広場まで歩いて、広場の鐘つき塔に登り、上からの風景を楽しむ。更に向かいの島に渡り、そこの鐘つき塔からサン・マルコを望むと、ここからの展望の方が素晴らしい。眩しい程の空と海の間に浮かぶ幻想的な中世の建築物。運河と海には小型船が行き交う。

 

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f:id:skizanmai:20190308221150j:plainサン・マルコ広場に戻ると、この周辺にはゴンドラが多く行き交かう。ゴンドラは昼は35分で80ユーロー、夜は35分で100ユーローと結構高い。ゴンドラは乘る物でなく、見る物か。あっという間にベネチェアでの時間は過ぎ、水上バスの待ち時間に、トイレに行くためコーヒーを飲み、各駅停車の水上バスに乗って4時ジャストにバスストップに戻る。

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待って居てくれたクラウデアさんに夕暮れのコルチナダンペツオのホテルに落として貰ったのは6時10分。行き返りの運転中、ずいぶんと電話のやり取りの多いドライバーだなと思ったら、この方は車を手配する会社の社長さんだった。ドライバーが足りず、社長さんが来てくれたと後で川野さんに聞いた。

 

これで我々のイタリアでの予定はおわり、明日、また同じ道をベネチェアの空港に行き日本へ向かう。今回、スキーと言う共通の楽しみがあるからこそ、これだけの人数が集まった。最初に声をかけてくれたH君、K君に有難う。

 

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予定通りの楽しい旅行ができた。出発一週間前の天候が崩れると言う予報は外れ、昨日のスキーでびしょ濡れになった以外は天候にも恵まれた。体調を崩した人も居たが、大したことなく済んだ。私はと言うと、大きなイベントでは必ず晴れてくれる晴れ男と自負、そして海外ではやはり絶好調。清水さんにメッセージを託した新潟組は朝から飲んでいたと聞いた。何時か古町で飲みましょう。

 

日曜日

日本へ向かって発つ日である。日本からはメールで春の便りが届いている。ガイドの森下さんは昨日ヘルシンキに向かい、ツアー客を出迎えてフィンランドのオーロラとスキーを楽しむツアーのガイドに。そして川野さんは今日、我々を空港に見送った後、一泊してツェルマットへ向かう。カナダの家に帰るのは来週になると言う。

ホテルの前に9時半に集まり、イタリア最後の集合写真を撮る。

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コルチナ・ダンペッツォの街に別れを告げ、我々を乗せたバスの車窓からは、やがて雪山が消え、ブドウの中にクリーム色の建物にレンガ色のかわらを乗せた農家が見える風景になる。北イタリアらしい農村地帯のこの地域はプレセコワインの産地だと言う。

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やはり疲れていたのか、帰りの飛行機では何度もウトウト。なぜか左側のK君の方には行かず右側の女性に寄り掛かってしまい突かれて何度かおこされた。

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無事に全員帰国して、首都圏勢とは空港で別れ、新幹線組とは駅で別れる。

 

帰国した翌日は奇しくも東日本大震災の震災8年目。震災の翌年に93歳で亡くなった私の父が何度か言っていた。「海外旅行は、行きたくとも、行けない人が沢山いる事を忘れない様に」その言葉を忘れずに、今回イタリアへ行けた事を感謝して、これからもスキーを楽しみ、充実した人生を生きて行きたい。

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