暖冬・小雪

今まで経験したことのないような暖冬が続いている。1月下旬となっても雪国新潟市は全く積雪が無く雪の降るべき今の季節に雨しか降らない。新潟市近郊のスキー場は未だオープンしないままで初滑りも出来ず、春のような日々が続いている。そんな中、1月21日から2泊の赤倉観光リゾートスキー場での高高44の会スキー同好会の合宿に参加するのが今季の初滑りとなった。

21日の朝、新潟市を立って、高田の実家に荷物を降ろし妙高に向かう。新井を過ぎるとスキーヤーにとっては嬉しい雪が降っている。スキー場に近づくと今年初めて見る本格的な雪景色。駐車場で連絡が入り、すぐに仲間が見つかり、元全日本デモンストレーター金子裕之さんの午後からのレッスンに間に合い、参加。全体的な雪の量は少ないが、前日からの積雪でゲレンデはカバーされ、視界は悪いが今年一番の申し分ない雪質である。

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一年ぶりの金子さんのレッスンを楽しみにしていたが、これが初滑りとなる私は身体が付いていけるか心配であった。金子さんは今年も新しい課題を下さる。今まで、カーブスキーの滑り方として一般的に言われてきた横滑りさせないでレールのような線を描くスキーではなく、テールを横に滑らせて回り込み上半身をなるべく動かさずに滑るスキーを提唱している。

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富山から来たH君と新潟市からの私以外は地元に住む同級生達。地元生まれのスキー仲間で、H君は指導員の資格を持っているし、皆スキーを続けてきた人たちなので上級者である。

今回の金子さんの教えは、幾分膝を曲げた低い姿勢からターンにはいり、外脚に体重を乗せてテール部を流して回し込み‘‘く‘‘の字の姿勢で外傾になってターンを終える、という事かと思うが、新しい挑戦は今までの身に付いたスキーの概念を捨てて挑まなければならないので、最初はなかなか金子さんの求める滑りが出来ない。しかし金子さんは一人一人の注意すべき点を一点指摘してくれるので、無理なく、目標が分かり易い。私への注意点は身体が前に被らないよう起こして滑る事。 

レッスンの後、軽い自由滑降で一日目が終わり、今日は帰宅したK君I君以外の4名が金子さんの経営する『ホテル金甚』にチェックインして温泉へ。金甚の源泉掛け流しの温泉は泉質がよく疲れが取れる私の好きな温泉である。温泉の後、夕食前にビールと焼酎で乾杯。久しぶりの仲間と飲むお酒は美味い。夕食後はいつもの様に仕事の終わった金子さんからお誘いがあり、焼酎と日本酒を持って一階のサロン『モンブラン』に集まり楽しい飲み会。

去年イタリアのコルチナ・ダンぺッツォへのスキーツアーで知り会った新潟市からのスキー仲間と帰国後会って、その席で志賀高原から来た海和俊宏プロを紹介され一緒に写真を撮っていた。海和さんは80年代にヒットした映画「私をスキーに連れてって」のスキー指導をした方で映画にも映っている。海和さんは金子さんの2歳上で二人は同じ年代のそのころの日本を代表するスキーヤーだったので聞いたら当然金子さんを知っていた。

奇遇と言えば、今回も合宿に地元から参加しているK君とは3年の時同じクラスだったが、彼の弟さんと私の家内は高校でやはり同級生で面識があり、更には10年くらい前、偶然アメリカのLAで「新潟の人がいるよ」と、紹介されたCちゃんは初めて会った時、話してみたら高校の後輩でありK君の従妹だと分かった。Cちゃんには今でも私のアメリカでの資金運用等でお世話になっている。このような最近世界は狭いと思わせる縁を何度か感じている。それだけ同年代の人たちは其処ら中を這いずり回って生きてきたという事で、世界は何処かで繋がっている。

2日目は朝からカリフォルニアを思わせる快晴。

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午前中は雪質もよく、昨日からのI君と今日から参加のY君が加わり、朝の自由滑降の後、金子さんのレッスンを受ける。 昼ゲレンデのレストラン「エートル」に入ると相変わらず外国人のスキーヤーが多い。午後からは大分新しい滑りに慣れてきて金子さんの注意も少なくなり、「そう、それでいいんです」という励ましの言葉が多くなり、気持ちよく滑れる様になってきた。

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2日目はY君が加わり5名が金甚に宿泊する。金子さんがスキーのエッジ研ぎとワックスをしてくださった。どう変わるか、明日の滑りが楽しみ。

 

最終日の3日目は朝から小雨。K君は滑らずに帰り、私とH君夫婦でダメもとでケーブル乗り場に行って見ると天候はそんなに悪くはない。上は大丈夫そうなので滑る事にする。

雪はいくぶん重いが金子さんに研いでもらったエッジも効いて気持ちよく滑れる。I君も加わり自由滑降。昼休みは「めいぷる」へ。ここの窓辺の席から目の前5番リフトの横にこぶ斜面が見える。昼休み中の皆を残して私は一本この斜面を滑りに行く。

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思ったほど瘤は大きくなく、マンモスでよく滑っていた程度の傾斜と瘤でこぶ斜面としては滑り易いが、なにせ瘤は久しぶりであり、初滑りですでにかなり太股に筋肉痛が来ている。それなりには滑れたが体力さえあればこぶ斜面はもっと面白い。I君が写真を撮ろうとしたそうだが写っていなかった。今度はもっと元気な時に挑戦したい。


今冬は私の98歳になる母親も「こんな冬は無かった」というほどの小雪。日本有数の豪雪地帯である魚沼では1月中旬で積雪0という観測史上無い記録になっている。桜の蕾も膨らみ始め、このままでは3月には桜が咲きそうである。どうなっているのか?

そして、中国からの新型コロナウイルスによる肺炎は今後さらに広がる気配を見せている。オリンピックイヤーの今年は年明けから世界中でいろんな事がネガティブに動き出しているように見える。世界的な気候変動がすべての原因かも知れない。年間の平均気温が僅か2度変わるだけで暖冬となり、今までなかった種類の肺炎がはやり、早咲きの桜が狂い咲き、人間を狂わせる。

その大元は世界中での二酸化炭素排出量の増加によるオゾン層の破壊であり、その事実に対する対策はトランプのパリ協定離脱により大きく後退している。自分さえよければ良いという考えは世界中で広まり、この分ではトランプが再選されそうである。

スキーヤーとしての目の前の心配は『来年もスキーに十分な雪が降ってくれるか、どうか?』であり、これまた自分さえ良ければ良いというスキーヤーの身勝手な理論ではある。