熱い夏

2017年春に日本に帰国してから6年が過ぎたが、まだ当分は私の人生は海外での生活の方が長い。日本に帰国してからコロナの直前の2019年秋までにヨーロッパ、中国、そして古巣であるLAへ3週間の旅行滞在を一緒にしてきたO君から、「海外に行くなら小堺と行くのが一番安心。また是非一緒にいきたい」と、ラブコールをもらっていて、コロナ感染もだいぶ重篤になる患者の割合が減り、最近新潟空港からの台湾向けのフライトが再開されたので、7月24日発で久しぶりの台湾への海外旅行を予定していた。

 

しかし予定外の台風が台湾を最悪のタイミングで襲う事態となり、急遽、出発の前日にキャンセルした。我々は観光に行きたいのであり、ホテルに監禁されて窓から台風を見るために行くのではない。幸いコロナの不安もあったので今回はいざという時のキャンセル保険に入っていたので、実際の損失は1万円くらいで済んだ。

 

熱い夏の日が続いている。コロナ禍でも、地元の日帰り温泉へはO君、Fさんと月2くらいの頻度で行っている。最近の楽しみは温泉の前のパークゴルフ。ゴルフより遥かに安く、ゴルフに近い感触のプレイを楽しめる。実際、ゴルフをしていた人たちや、ゲートボールをしていた人たちからの乗り換え組の人達からも、その満足度の高さを称賛する声を聴く。まだまだこれからパークゴルフ場も増えていくことだろう。

 

さて、さて。台湾旅行が無くなり、代わりに東京へコロナ後初めて遠征することにした。東京もまた久しぶりである。

弟と昼ご飯を一緒して、向かったのは東京で一番激しく変わっているという渋谷。渋谷は昔、アルバイトで通った町であったが、降りたとたんに方向を失った。何となく忠犬ハチ公の像の前に出ようと歩いていると、路上の日陰にイスラム教徒のトーブの民族衣装を着てやせ細った男が横になっている。それはインドの聖地アグーラで見た死にゆく人の風景のようであった。

 

黙って1000円札を男の手に握らせると、横たわったまま言葉にならない小声を出して男は私に感謝を告げようとする。どういう事情があって異国の地で今、力尽きようとしているのか知る由もないが、コロナ禍で誰も関わろうとしない。私に出来ることはそこまでであった。これも昔、私が世界で放浪中に見知らぬ人から受けた親切へのお返しと思って困っている人を見過ごすことができず、日頃から心がけてやっていることに過ぎない。

結局渋谷ではこの施しをするためだけに降りたことになった。私はまだ徳を積み切れて居ないのか、見返りを期待しない善行ではあるが、こういう行為は周りをほっこらと明るくすると思っているので、隠さずに機会があれば周りの人に話すのである。

 

夕方、中目黒で久しぶりにHちゃんに会う。彼とはエルエーの語学学校で会い、実際に一緒に過ごした時期は短かったが、すごく内容の濃い異国での青春時代をともに過ごした親友である。その後、私はカレッジへ、彼は州立大学へ進み、アメリカでは、たまに会っていた。1980年に彼が日本に帰ってからは、なかなか会えなくなったが、ずっと付き合いが続いている。

 

彼はビートルズのメンバーと、オノヨーコなどが造ったNPO Non-Violence Projectの日本支部を設立し、ポールマッカートニーとも直接話すことの出来る立場にいる。その他、日本近代5種協会の理事、2028年からオリンピックの正式種目になる日本オブスタクル協会の副理事長などをやっているので公人として名前を出してもいいのであろうが、プライベートな付き合いなのでイニシャルにしておく。

オリンピック+エピソード5 - skizanmaiの日記 (hatenablog.com)

エピソード5をご覧あれ。

 

会えば途端に昔の二人に戻れる。いい時代に、いい場所で楽しい時間をともに過ごしたのである。そして今夜も会っていた4時間は時を超えて、あっという間の最高に楽しい時間であった。

今回、ツーショットを取り忘れたので、40数年前のエルエーでの写真を一枚貼っておく。

東京に一泊して、翌日、池袋で高校のOBの仲間と飲食する。大都会の変貌は早い。池袋もすっかり変わっていてまた方向が分からず、迎えに来てもらった。4人のうち2名は博士号を持ち、卒業後の経験は人様々で、その後の各自のこれまでの人生を聞くのは興味深い。皆、だんだんと活動の範囲を狭めていく年齢であるが、昔の同年配よりまだまだ頑張っている。

 

8時52分の列車で新潟へ帰る。便利になったが、マスクをした人としない人、車内ではなるべく会話をしないでくださいという未だコロナ禍の殺伐とした空気を感じる。ヨーロッパの熱波、大雨、台風の大型化と線状降水帯、その原因を造ったのは人間、どんどん次の世代に渡す地球が壊れていく。

 

東京では一晩で一組の友人たちとしか会えないのがもどかしい。そして今回の仲間との写真を撮ってなかったのは残念だった。

 

今週のMちゃん

プライベートな付き合いのためイニシャルの猫のMちゃんの今週の写真です。

この極暑の中でも、毛皮を着て過ごす頑張り屋である。