台風の中を関西へ・前編

スキーシーズンが終わって、しばらくはブログのアップデートがなかったが、その間も温泉一泊旅行、食事会、アメリカからの知り合い夫妻の新潟訪問など忙しく過ごしていた。

 

そして、最近買い替えた自転車は、ルイガノのミニベロと呼ばれる今はやりの20インチの小型タイヤで電動ではないbicycle。車体は軽く、トルクが高く、平地ではスイスイと進み、坂道も軽いペダリングで登る。タイヤが小径なので、慣れるまでハンドルの不安定さが少し気になるが快適に走れるのが良く、晴れてればサイクリングにいい季節である。

5月には新潟市でG7の財務相・中央銀行総裁会議が私のマンションからそう遠くない朱鷺メッセを会場として催された。数日前から厳しい警備体制がひかれていた。私は今年から「新潟おこめプロジェクト」という母子家庭にお米を届けるボランティアをしていて、今回は5KGのお米のほかに大きな段ボール箱に入ったコロナ用に用意されていた品物の寄付を受けた物も一緒に配達した。

 

その配達日とG7の会期が重なり、私の配達管轄地域はまさにG7会場のすぐ近くにあった。配達に行くと新潟県警、千葉県警の警察官で蟻も通さぬ物々しい警備体制がひかれている様にみえたが。これは職務質問なるものを受けてみる絶好のチャンスと、荷物を両手に持って警備員のすぐ前を2度通るが、よほど私の人相が良いのか誰も声をかけてくれない。聞かれたらどう答えようかと用意していたのに少し残念。

 

さてさて、6月になり、台風2号が上陸というタイミングになってしまったが、かねてより計画していた関西への旅行に出かける。伊豆からのSさんと落ち合って関西を観光の後、最終地は二人のアメリカでの共通の友人であるSやんを姫路に訪ねる旅である。今まで方々に一緒に旅したSさんは、私の人生で最も頻繁に一緒に旅した気心の知れた旅のパートナーでもある。

 

6月2日に出発の予定はかなり前から決まっていたが、出発の日が近づくにつれ、大型の台風2号が勢力を増して進んで来て、予断を許さない状況になってきた。気象庁の天気予報では関西を中心にかなりの大雨になりそう。新幹線が急にとまるのが一番大変な事態。風はたいしたことないが、過去の雨による新幹線運休のデーターを見る。2日前の状況で出発日の6月2日は大雨で新幹線が止まると予想して、急遽、出発の日を1日早め6月1日に変える。

 

すべての予定を中止したらキャンセル料がかかるし、次は何時予定を立てられるかわからない。徹底した危機管理をしながら旅を決行する方が面白そうで、京都まで行けば何とかなりそう。幸い京都では台風に備えて早めに観光をやめて宿をキャンセルして帰路に就く人が出だし、普段では考えられない駅前のホテルに前日に空きが出ている。直接電話をして予約する。一日早い新しいスケジュールでの旅が始まる。

 

この判断が功を奏し全く問題なく京都へ着く。そしてその翌日2日は予想通り東海道新幹線は昼前からほぼ全面ストップとなる。もし2日の朝出発していたら何処かで足止めを食らい、厳しい状況で一日を過ごさなければならなかった。ラインで友人たちからは「さすがにしっかりした危機管理」とお褒めの言葉をいただく。

 

夕方に京都に着き、2日は一日中大雨で、駅周辺の移動にとどめて一日をすごす。部屋から見える駅のホームには運転を取りやめた新幹線が2列車止まって動けずにいる。一日出発が遅れていたら私も何処かで立ち往生して一晩車中でどこかの駅で過ごさなければならないところであった。京都駅周辺のレストラン、飲み屋さんはどこも美味くてリーズナブルな値段。

 

駅周辺には何組かの中学の修学旅行生がい2組ほどと話してみた。神奈川と東京からの修学旅行を終え、2日に帰宅するはずであったが新幹線が止まってしまい、先生方がもう一晩の宿の確保に奔走中とのこと。一組は決まったらしいと子供たちが喜んでいた。これも事前に情報を得て調べていたら新幹線が止まることが分かったはずだが駅まで行って初めて事態を把握したようだが、現場の教師は情報をチェックする時間も余裕もなかったことだろう。現地に来ない後方部隊がその役割を担っていたらもっと危機管理が適切にできたことだろう。 しかし若い子供たちは悲壮感はなく、もう一泊出来て嬉しそうであった。これもまた修学旅行の思い出となるのであろう。

 

3日から名古屋の友人のところで過ごしていたSさんが合流して、一日観光バスツアーで京都見物。京都観光は久しぶりである。清水寺、嵐山、天龍寺、竹林、三十三間堂、平安神宮など、各場所で集合時間が限られた自由観光が基本で、観光バスツアーは意外と時間がなく忙しい。雨上がりの京都は空気が澄み気持ち良かった。このツアーは別名『置き去りツアー』「もし集合時間に遅れたら、そこがとてもお気に入りでお客様のすぐに離れたくない場所と判断して、バスは待つことはなく出発します」という。

清水寺への道は見えないくらいの観光客で埋まっており、境内にある音羽の滝は向かって右から長寿、恋愛、学業が叶えられる水となっているが、滝の裏側から柄杓で受けるので、裏側からは左右が逆になり間違える人も多いらしい。その柄杓であるが、このご時世で使用後には紫外線消毒がなされるハイテク参拝となっていた。

嵐山渡月橋の川は増水しており、竹林の道は林は見えても道は観光客でごったがえ。京都は日本最大の観光地であり頻繁にテレビで観る機会があるので想定内、想像通りの名所巡りであった。

 

 

神戸に移動する。神戸の街は東西に延び、山の手から海まで歩いても直線なら2kmくらいしかない。予約した新幹線駅前のホテルに荷を預け、まずは近くの異人館街へ。通りがかりの高齢の女性が異人館への道を教えてくださり、さらに目の前にある「このロープウエーで山頂にあがると神戸ハーブ園があってとてもいいとろろですよ」と教えてくださった。

かっての外人居住区は何棟かの洋館が整備され観光スポットとして入場料をとって公開されている。受付の周辺の女性が、寄っていきなさい、見ていきなさいと夜の街のように誘いをかける。そして私らが入らないと分かると、急によそよそしく愛そうがなくなる。ボランティアのガイドの男性によると、異人館のほとんどは観光会社が運営していて、中に5棟だけ半分神戸市が運営している建物があり、そこはそんなことはないはず、さらにラインの館は入場無料だと教えていただきラインの館へ。

そのあと、すれ違った地元のおばあさんに聞いていた新神戸駅近くのハーブ園へロープウエーでのぼる。これが思いの外よかった、教えてくださった地元のおばあさんありがとう。観光地はこうでないと。ロープウエイを降りると神戸の街並みがみえ、花がいっぱい咲いていて、様々なハーブが植えられている。ハーブの香りを一つ一つ嗅ぎながら移動する。その山頂で飲んだ冷たいドイツビールがとても美味かった。

一人暮らしが多くなると独り言が多くなる。「そんな馬鹿な」と言ってたのに、風景を見ながら私が離れて見ていると、何やらやたらうるさい独り言のSさん、私が後ろにいると思って話しかけていたのだと言い張る。

途中駅まで花と風景を楽しみながら降りてくる。その途中の風景と雰囲気が、とてもよかった。

一番手前がANA ホテル

 布引の滝

この冷たく冷やされたドイツビールは美味かった

ビルの谷間にある2段重ねの丸い塔が改築中のポートタワーであった

ハンモッグにはまって起き上がるのに苦労

チェクインして夕食に出るが、この新幹線駅の周辺に繁華街はなくネットで調べた居酒屋に途中で何人もの人に方向を聞きながら、やっとたどり着いたら閉店していた。ネットの地図も方向が分からないと時には役に立たないものである。結局ホテルに戻り地下にあるネパール料理店へ。最初食べ放題のプランを選んだが終盤になって個別に頼んだ方が安いことに気づき交渉して変更してもらう。旅慣れた我々はしょうがないでは済ませない。

 

神戸・姫路編へ続く