日本の政治家 + エピソード 21

安倍元首相が銃殺と言う日本ではヤクザ同士の抗争でしか聞かなかった方法で殺されました。銃社会でない日本でこの事件はショッキングであり、今回は安倍さんの業績を外交面に限って私なりの想う処を書かせていただきます。

 

外国に暮らすと日本で暮らす以上に日本への愛国心が強くなるのは大多数の海外生活者が言う事です。外国のインテリ層であっても、日本の首相の名前を言える外人は少ないです。そんな中でおそらく世界の外交で日本人で唯一人存在感を示し、多くの外国の政治家から一目置かれたのは安倍さんしか居なかったと思います。

 

安倍さんの登場まで日本の外交は日本人の為の発信をしてこなかったのは事実です。その間に、中国、韓国、北朝鮮が主張する意見が事実のように世界の常識となり、習氏に対しては理解不足による過大評価をする傾向がありました。その為アメリカのオバマ大統領、ドイツ、フランセ。イギリス、オーストラリア、インドなどのほとんどの国家元首は親中国の政策を取り始めていたのは皆さんの知る通りです。

 

ドイツのメルケル首相がその筆頭で、『習主席は反腐敗キャンペーンを展開していてクリーンな政治家だ』と、ある国際会議の場で持ち上げて、中国擁護論を展開していました。しかし、安倍さんの登場により世界が日本の主張に耳を傾けるようになったのだそうです。中国は国際条約を守らず、秩序を乱す国という見解を広く世界に広げたのは安倍さんで、今までの日本の首相の誰も出来なかった事でした。

 

元朝日新聞ワシントン特派員であった峯村 健司氏によれば安倍さんが初めてトランプ大統領と会った時「『世界で一番残虐なのは日本兵だ』とナチスドイツの軍人が言っていたそうで、その日本に100年も支配されていたのだから、中国人が反日感情を持つのも無理はないだろう」と言われたそうで。安倍さんはトランプ氏に、「誰からそんなことを聞いたのか?」と尋ねたらたら「先日会った習近平がいっていた」と聞き、「習近平の娘がアメリカ留学で使っている金額は習近平の給料より多い。そのお金は何処から出ているのか?」

 

「ロサンジェルスには中国の政府や高官の愛人が贅沢に暮らしている「愛人村」や、有力者の夫人らが生まれてくる子どもにアメリカ国籍を取らせるために出産目的で一時渡米して住む「妊婦村」がある。という切込みから、いかに中国と言う国と習近平が信用できない人物かを説いたそうです。実際私の住んでいたロサンジェルスカウンティーの隣の郡、オレンジカウンティにそういう地域があり現地で問題になった事がありました。安倍さんはアドバイザーから、外交に使えそうないろんな情報を得ていたそうです。

 

以来トランプ氏は誰よりも安倍さんの意見を聞きたがり、安倍さんはトランプ嫌いなヨーロッパの政治家とトランプの間でも、バランスよく、どちらからも頼りにされる存在となり、世界の首脳が、「安倍は、どう言っている?」と、聞いてくるのだそうです。これは安倍さんだからこそ出来た事で、安倍さんを何かにつけ批判している他の国内政治家には絶対に得る事の出来ない外国からの評価です。安倍さんの発言は的を得ていて、トランプ大統領への「中国の軍事化・領土拡張に注意、韓国文在寅大統領の意見は北寄りで信じてはいけない」などの助言は結果的に全て正しく、欧米の国家元首は安倍さんの外交手腕に注目するようになったのだそうです。

 

これほど世界の元首の心をつかみ外交で注目された政治家は日本には居ませんでした。中国政府当局者でさえも安倍さんに追悼の言葉を送り、「戦後初めて、対米追随ではなく、独自の戦略を持った外交を打ち出した日本の指導者だと評価しています。小泉純一郎氏ばりのイデオロギー色を発しながら、田中角栄氏のように実利的なアプローチも仕掛けてくる。なかなか手の内が読めずに苦労しました。ある意味で、われわれが最も恐れた日本の政治家でした」と言っています。

 

外交以外ではいろいろ問題があった事は承知していますが、外国に住む大多数の日本人にとり、安倍さんは経済一流、政治3流と言われた日本のスティタスを世界の外交の舞台で初めて高めてくれた存在でした。

首相を辞めてからも与党の実力者として日本を、延いては世界の過激な動きのブレーキ役としての存在であったはずの安倍さんの早すぎる喪失は残念です。冥福を祈ります。

 

それにしても、NHK党の比例代表制度で当選したガーシーなる詐欺罪で訴えられているユーチューバーの国会議員、当分ドバイに暮らし国会には登院しないそうですが、投票用紙に名前が書かれたことも無い人が国会議員になり、国民の税金から年間2000万円もの歳費が支払われると言う比例代表制なる選挙制度は世界でもまれなるご粗末な選挙制度だと思うのです。早く無くして欲しいものです。

 

エピソード  21

 

今年の初めに亡くなった元私の上司、カリー社長は父親の作った全米アメリカトラック協会の重臣であったが、その団体と相反する団体が有名なチームスターというトラック運転手の組合であった。チームスターはアメリカの最大最強の労働組合と言われており、元々はギャングであるマフィアが関係していた団体である。今でもマフィアと関係があると言われてるがマフィアは非合法組織であり、表には出てこない。

 

労働組合としてのチームスターは常にトラック業界でのオルグを進めており、私のいた会社のドライバーの中にもチームスターの関係者が入り込み、組合に入れば賃金、福祉が良くなるとドライバーを組織化しようとしていた。

私の居た会社は西岸最大手ながらドライバーはチームスターに入って居なかった。それはチームスターに入れば輸送賃が大幅に上がり、最大の犠牲者は一般消費者であり、ドライバーの取り分よりチームスターの吸い上げる金額が大きく、その分を直接ドライバーに支払う方がドライバーの生活は楽になると言うカリー社長の信念であった。

 

チームスターになるかならないかはその会社内のドライバーによる投票で決まるが、一貫して私の居た会社はドライバーに対し業界で一番高い賃金を払い、チームスターに加盟しても得をするのは組合幹部だけだと非組合を説いていた。

 

チームスターのオルグ行動による港湾ドライバーの大規模なストライキがあった際、対抗するトラック業界の代表であったカリー社長は何度かチームスターの代表と交渉を持った。チームスターの幹部は労働貴族であり、組合費として会員から集めたお金で交渉にはワシントンから自家用ジェットで飛んできていた。

 

何度かの交渉の過程で、チームスターの幹部たちと親しくなった社長は極秘に「もし、Cal. Cartage がチームスターになってくれたら、Cal. Cartage だけがLA/LB港湾に入れる唯一のトラック会社にしてあげる」と持ち掛けられたことがあったそうだ。その時社長は「私の目が黒いうちは、私の会社がチームスターに組織される最後の会社であろう」と、最後の最後までチームスターに入るつもりはないしその努力を続けると言い放ったと本人から聞いた。

 

チームスター全盛の時代には暗殺の危険もあったそうであるから、正にカリー社長は業界のリジェンドであった。

 

今週のミーちゃん

猫用のアイマスクは爪を切る時目隠しをすると大人しくなります

追伸:

とうとう日本のコロナ感染者数が国別で世界で一番になったそうです。マスクをする人の多い日本で何が起きているのでしょう?重症者、死亡者が少ないのが救いですが、皆さん気を付けてお過ごしください。