Wet Snow &エピソード29

年明けの最初のスキーで、8日に今期3回目の胎内に行ってきた。新潟市内は朝から雨。それでも山に行けば雪になる予報であった。駐車場までは雨であったが、滑りだしたらみぞれに変わった。成人の日の3連休の真ん中の日曜日とあり、雨の中を家族連が大勢来ていた。雪遊びが多いのか全面オープンしたリフトラインは思いのほか混んでいない。正月から天候が悪くて屋外での運動をほとんどしていない。慣らし運転のつもりで丁寧に滑りる。

私のかってのホームグラウンド、CAのマンモススキー場からは2日間で2m近くのパウダースノーが積もったという知らせが届いている。一方、ここ新潟県の今年は里雪でスキー場の降雪は少なく、気温は高く雪は例年になく湿って重い。みぞれの中を滑り始めると昼頃には雪質は春スキーのようなべちょべちょの雪となった。

びしょびしょのウエア

リフトに乗ると湿ったみぞれがスキーウエアを濡らす。しかし、最近のウエアは中まで濡れない素材で作られている優れもの。革製のグローブだけがびしょびしょになったので、帰ったら買い替えなければと思う。ゲレンデはほぼ全面的に開いて先週閉まっていた上の方の風倉高原第一ペアリフトに行くと雪質もまずまずで気持ちよく滑れた。

奥のリフトに乗っていたら、雪の降るゲレンデを5匹ほどの猿の家族が横切っていき、ちょうどリフト上から見えるところで食事を始めた。ニホンザルは世界で唯一雪の中で暮らす猿。しかし、冬の山で食料を探すのは大変であろう。わずかにある木の芽を食べている。

雪の中のおサルさん一家

食料事情といえば、かって日本は世界中から強い円で最高級の農産物を買い集めていた。私もアメリカから日本へ輸出する農産物の荷動きに係わっていたが、オレンジ、サクランボ、メロンなどは一番いいところはアメリカ国内向けでなく日本のマーケット向けに輸出されていた。そして現在は、最近の円安で日本が世界中で穀物、海産物、果実、食料の買い付けに負けているとニュースになっている。マグロの買い付けに中国の業者が豊洲市場にきていて、多くのマグロが買われて中国に送られている。

 

これからは日本で今までのように美味しいものが食べられる保証はない。大農業国であるウクライナからの小麦の出荷が減り、酪農の飼育に使う餌が値上がりし、世界の人口は増え続け食料の取り合いとなり、食糧不足になりつつある。いまの日本の食料自給率はわずか38%である。お金で食料の争奪戦をして居る間は良いが、武力、暴力で生きるための争奪戦が始まったら今後世界中で食料をめぐっての戦争も起こりうるのである。一番最初に困る国は人口密度の多い食料自給率の少ない日本の様な国であろう。雪の中でわずかな食料をあさる猿の姿にこれからの人類の姿を重ねてしう。

 

エピソード29

日本に帰って警察官に街中で遭遇する機会の少なさに驚く。それだけ日本が平和なのであろうが、それは日本人の良識に委ねた平和であったが、今の不景気な社会では通用しないところがあり、テレビのドキュメントで見ると不景気になれば犯罪も増えるが、日本の警官は優しいので警察官に食って掛かったり、自分さえよければ良いという輩が捕まらずにやり放題をしたりしている感がある。

 

アメリカでは街中にいる警官の存在が犯罪を防ぐと、警官がお昼休みや休憩時間に制服のままお店に入って食事をする姿は当たり前の光景であり、わざわざ「制服姿でこんなことをしていていいのか?」と、おせっかいな告げ口する人はいない。

 

アメリカの交通違反は違反を認める認めないにかかわらずその場で違反切符が切られて、その後、管轄地域の交通裁判所から今回の罪を認めるなら$$$を支払うように、異議申し立てがあれば、何月何日にどこどこの交通裁判所に出頭して、異議申し立てをするようにと書面での連絡がある。異議申し立てがあればその旨を伝え、指定の日に裁判所に行ったら違反者と警官両方の言い分を聞いて裁判官がその場で有罪無罪と確定反則金の申し渡しをする。

 

私は学生の時一度だけ、異議を唱えて、交通裁判所に行ったことがあった。その時は相手の警察官が都合がつかず出頭出来なくて、その場合は無条件で私の勝ち。無罪で反則金も無しであった。結構相手の警官が来れないこともあるようで、時間と暇のある人はやってみる価値があると思ったのであった。

 

罪を認めると罰金を収め、違反ポイントが記録され、その後の車両保険代がポイントにより5年間上がるのである。人々はそれを知っていることで、無言の圧力となり誰もがルールを守るべき執行力になるのである。それが違法駐車であればチケットが車のワイパーに挟まれ、野外の公共の場でのアルコール類の摂取など軽犯罪でも違反切符が切られて同じプロセスになる。

 

アメリカの警官は西部劇の時代から、悪を取り締まるため、強力な権限を与えられている。拳銃を持っている犯罪者と遭遇する機会のあるアメリカの警官は自分の身と秩序を守るため、必要な装備と武力、体力を持ち合わせている。ギャングのように警官に逆らったら、それなりの報いが自分にかえってくる覚悟が必要なのである。激動の社会で多くの若者が警官に何らかの反感を持つ時代に育った私であるが、今では、警官を見たら「お巡りさん、ご苦労様です」と、最敬礼。すっかり体制側の人間である。

 

ところで、先日、ウォーキングがてら、寄居諏訪神社により、100円のお賽銭を入れ、賽銭箱の横にある200円のおみくじを引こうとしたら500円と100円硬貨しか残っていなかった。柏手を打つため財布を横に置いて500円硬貨を持って思案。ここは100円で勘弁していただこうかとか、事務所に行って両替をしてもらおうか、などと考え、結局500円を入れて太っ腹なところを神様にお見せしてお参りをして引いたおみくじは吉。全般的には良いことが書かれている。「焦りは禁物」「十分な睡眠をとり、体を休めましょう」「注意力不足に注意」フムフム、、と神社を離れて200mほど行ったところで、先ほどのおみくじの処に財布を置いてきたことに気づく。

急いで境内に戻ると中年の婦人が二人いて、何やら私の顔を見ているので、「財布の忘れ物に気づきませんでしたか?」と聞いてみると、まさに私の財布を手に持っていて、「事務所に届けようと思ったが、誰もいないので、警察署に持っていこうかと話していたとこでした」免許証を見せて本人の確認をしてもらい、受け取ることができた。

 

外国で忘れ物をしたら、よほど運がよくないと戻ってこない。外国からの観光客が日本で落とし物をしても、返ってきたとSNSで言われているそうだが、自分の身に起こると、やはりまだ日本には優しさが残っているのだなとうれしい気持ちになる。拾い主にお礼を言い、もう一度神様のご加護に感謝の御礼をすると、改めておみくじにあった「注意力不足に注意」が心に突き刺さったのでした。

 

今週のミーちゃん