中国格安ツアー Day 1&2

高校の同級生であったO君からお誘いがあり、格安の上海・無錫4泊5日の旅に参加した。彼とは高校ではほとんど交遊は無かったが、同じ新潟市内に住み、去年の9月に再会して以来、妙に馬が合い、一か月に2度は一緒に飲む仲になった。彼の誘いが無かったら、上海に行くチャンスも無かったかと思う。彼は中国は6回目で、上海は3度目、私は今回が初めてである。航空費、ホテル、食事代が付いて4泊5日で29800円という破格の料金、「だまされたと思って」という彼の誘いに乗る。

二人とも今は仕事を退職して完全な自由人であるが、入国書類などに職業無職と書く事にまだ抵抗の有る時期である。お堅い金融関係の仕事でそうそうの地位まで登り退職したO君は、失礼ながらとても信用第一の業界に居た人には見えない。よくぞ退職まで勤め上げたもんだと思うのだが、そこが彼の良い処で、お堅くなく、社交的で話好きである。

9日午後2時に新潟空港から総勢38名が上海に向かう。約3時間のフライトで、上海に到着。私は中国本土は初めて、最近20年間の中国の発展を見れるのが興味深く楽しみである。上海の2か所ある国際空港の一つに着くと、空港は滅茶苦茶でかいうえ、さらに拡張工事中。ガイドの趙さんに迎えられ、観光バスで3時間の無錫のホテルへ向かう。

中国第2位の大都市上海の人口は2700万人、途中の蘇州が1100万人、無錫が650万人と、日本とはけた外れの多くの人が住み途中途絶える事無く街並みが続く。数多くの30階くらいの高層マンション群と建設中のビルが目立つ。

無錫は元々は多くの運河の走る豊かな水郷地帯であり、15年前まで農村地区であったそうだ。習近平の出身地でもあり、多くの開発が進み、新幹線で上海まで30分。地下鉄も拡張していて、道路は広く、そこを走る車は80%が中型以上の外車。ほとんどの車がサンルーフ付きのヨーロッパ、日本の高級外車で韓国、アメリカ車も走るが中国車はここではトラック以外では少ない。車を買える一部の富裕層が都市部には多いということだが、その何倍もの貧困層がいるのも同じ中国である。

その原因の一端をガイドの趙さんから聞くことができた。中国では土地は国家のもので、人民は土地の使用権だけが許される。其の為、国家開発プロジェクトに入った地域の住民は古くから住む土地を返さなければならない。しかし、その立ち退き保障として、そこに建てられる高層住宅のマンションの2〜3軒分が与えられる。その新しいマンションの値段は上海では東京並、無錫でも高額な物件となり、その賠償金を得た住民はその日から金持ちになる、というサクセス・ストーリが毎日起きているのだそうだ。

一方、農村部では一人っ子政策下でも長男が欲しいがため、複数の子供を産む事があり、違反がばれると年収の4年分もの違反金を取られるのでその子達は戸籍に乘らない子供となり、籍の無い子達は学校へもいけず、貧しい生活が続くという矛盾が今の中国の現実であるという。

途中で夕飯を食べる。大きな9〜10人ずつの丸テーブルで夕食。食事は中華で10種類ほどの料理が大皿で並ぶスタイル。無錫に2泊するホテルはツアーの値段からするととても立派なホテル。この日は何の予定もないので、私ら二人はホテルに荷物を降ろしてすぐに周辺の散策に向かう。近くのお店で缶ビールを4缶買うと全部で12元だと言うが、何故か2缶づつで払ったら4元+4元で8元だと言う。ビール1缶40円である。明らかな計算間違いだと思うが中国では80円でも得した気分。その後もこの値段でのビールにはこのツアーでは巡りあわあなかった。

ビール缶を片手に散策。歩いて数ブロックで庶民の生活する古い商店街があり、露天や此処の名物の生きたザリガニが店先に出された小さな食堂が並ぶ。夜10時近いのに子供達が遊び、治安は良いように見える。


2日目の朝はホテルでビュッフェ・スタイルの朝食の後、バスで太湖散策へ。そして古鎮、真珠工場見学と続く。

古鎮で一人で参加しているHさんが行方不明になる。ガイドの趙さんが参加者の人数確認を頻繁に行うが、一人足りない。私はすぐにちょっと気になっていたHさんが居ない事に気づいた。私が探しに行って、迷っていたHさんをすぐに連れ帰る。

今回のツアーは総勢38名で、夫婦、女性の二人組、男性の二人組、日本で暮らす中国人、そして子連れの母親が2組で小学生以下の子供が5名参加している。私はガイドの旗について行くこの種のグループ旅行に参加するのは初めてであったが、途中からはある種の連帯感が生れ、いろんな人が居て団体旅行も面白い。そして個人ではとてもこの値段では出来ない旅である。Hさんは新潟空港で話しかけてちょっと耳が遠いので気にかけていた人であった。

その後も、Hさんは何度か集合場所が分からなくなったり、時間を間違えたりしたので、段々と私とO君でしんがりを務め、自由時間にはHさんを誘ってあげる様になってくる。

昼食をたべて刺繍工場、そして蘇州へ。


蘇州では遠くに中国のピザの斜塔と言われる虎丘斜塔を望む、ここの塔の下には呉の時代の皇帝が葬られていると聞く。


グウ園は私邸であり、ここは世界遺産の運河の街でもあるが丁度工事中で水の少ない運河もあった。


2000キロ続く手で掘られたという京杭大運河

南禅寺に戻って観光。40分ほどの自由観光の時間を貰い寺院内と周辺のお店を散策。帰りにHさんが遅れて集合場所に現れない。私が探しに行って迷子になっていたHさんを見つける。

夕食を食べてホテルに帰る。今日は船に乗り運河をいくナイト・ツアーがあるが、夜景は4日目の上海でのワウタンのビル群の夜景をみるツアーに参加したいので今回はパス。ホテルから今日は昨晩と反対方向を散策。小さな間口の食堂、野菜果物屋さん、コンビニ、床屋、などが遅い時間まで開いている。麺屋さんに寄って牛肉刀削麺を食べてビールを買って帰る。