春雪・かぐらスキー場

4月になり、新潟市内の桜も満開と成っている。
もうすぐスキーの季節も終わろうとしているが、その前にもう数回滑る機会を計画している。
マンモスでのスキー仲間で、日本に5年前に帰国していた懐かしいSさんから連絡が有り、Sさんの住む湯沢に滑りに出かける事になった。スカイプでは何度か話していたSさん、実際に会うのは実に4年ぶりくらい。一緒に滑るのは5年ぶりである。

新潟から車で約2時間で湯沢のSさんのリゾートマンションに着く。迎えに出てくれたSさんとの懐かしい再会。暫く彼の部屋で休んだ後、買い物と昼食を摂って、苗場スキー場に移動する。Sさんのマンションのすぐ近くに石打・丸山スキー場があるが、そこはもうシーズンが終っていて、30分ほど離れた苗場スキー場の近くに私の為にSさんが友人から部屋を借りてくれていた。苗場もほとんどのコースが閉まっていて、今回滑るのはその隣の田代・神楽スキー場。


八海山

この周辺一帯はスキー場と温泉が連なっている。夕方、温泉に入りに出て、食事をして帰る。飲みながら楽しい話が弾む。

翌4月7日、今日は私が日本へ永住帰国して、1年が経つ記念日でもある。思えば慌ただしくも充実した1年であった。去年の暮くらいからやっと、落ち着いた生活を楽しむ事が出来る様になり、帰国を実行したのは正しい判断であったと思える日々である。

外は小雨が降っているが、この辺では一番遅くまで開いていると言う春スキーのメッカ、田代・かぐらスキー場に向かう。小雨の中、8時前にはもうスキー客が大勢、駐車場に車を停めている。Sさんの先導で滑り出す。雪は重く、久し振りの雨中スキーである。

約5年振りにSさんと滑れスキーは嬉しいが、小雨で雪質は悪い。今日は田代側のスキー場で滑り、明日は神楽側へ、という予定で田代側のコースを滑り始める。細かい雨の為、ゴーグルにワイパーが欲しい。湿って重い雪と、私のワックスが合わなくて滑り止めの様になっているスキーに苦戦しながらも滑り続ける。

田代側は主に初心者用のコースが多いが、このコンデションでは充分。午後になると雨が雪に変わってきた。朝からのガスった状況は変わらないが、雨よりは滑り易くなり、コンデションが悪いながらも気に入ったコースでスキーを楽しむ。

帰り掛けに、温泉に寄る。この辺りは温泉だらけ。今日の温泉は浴場の脱衣所から外にでるドアに、「こちらの池は露天風呂ではありません!」と、注意書きが書かれている。見れば、ドアの先に池がある。この注意書きがあるという事は、露天風呂と間違えて、池にハマってしまった恥ずかし客が何人も居た事であろう。その人には申し訳ないが、思っただけで笑ってしまう。

4月8日、朝から雪が降っている。

春スキーのつもりで来ているので、この時期に、車上の雪を掃う事に成るとは思っても居なかった。苗場、田代の駐車場を過ぎ、今日はかぐらスキー場の駐車場から入るが、着いた途端に、なんとスキー靴を忘れて来たことに気づき、Sさんを降ろして、先に滑って居てもらい、苗場のマンションまでスキー靴を取りに戻る。今日は週末で駐車場が混むからと早目に出て来たのに、何ともドジな話。それでも、片道20分くらいでトータル40分ほどのロスで、8時前にはロープウエイに乘る事が出来、降り口でSさんと落ち合う事が出来た。

春山は雪が降ればすぐに冬に戻る。少し晴れ間がのぞきいている間に、まずは山頂へと、乗り継いでいく。

山頂部からの滑り出しは、5cm程の新雪で、その下は昨日日中に溶けた雪が凍って、ガリガリ。しかも神楽の上の方の斜面は整地して無い斜面が多く、ガリガリ・凸凹での5cmの新雪はほとんど意味がなく、硬い雪面はシニアには危険物。

Sさんは5月に腰の手術を予定している。腰をかばいながらの今季最後のスキーなのにガリガリの凸凹斜面は腰にきて、脚が痺れるという。私も、このガリガリ状態は楽しめないので、下に降りて、緩んできた中級斜面を主に滑る。


1か月ほど滑って居なかったので、2日目となると、午後は太腿が疲労で動きが鈍くなってくる。脚がもつれ、帰国後初転び。それもまた楽しい。

また雪が降って来て、視界が悪くなってきた。

3時過ぎまで滑り、今日も帰りに温泉へ。雪がひらひらと舞う様を観ながらの露天風呂。
帰国以来、ずっとSさんとのスキーを願っていた。この歳になると、互いに健康に不安を抱えながらのスキーであるが、楽しく滑ることが出来た。新潟市の私の家から2時間かかるらずに湯沢のスキー場に行く事が出来るとは、LAのローカルスキー場より近く、簡単に来れる。

Sさんの腰が手術で回復して、来季にまた一緒に滑れる事を祈り、帰路についた。